Windows11では Outlookのデータ(送受信データとアドレス帳)は、デフォルトで「ドキュメント」フォルダの下の「Outlookファイル」フォルダの中に、「.pstファイル」として存在します。ところが、このデータファイル(.pstファイル)を含む「ドキュメント」フォルダが、クラウドの
    OneDriveに移動してしまうことがあります。
     これに関連してメールソフト Outlookと、そのデータ(.pstファイル)の紐づけが壊れてOutlookが開かなくなる事象が多発しています。ここでは
    Outlookとそのデータ(.pstファイル)を紐づけする要領を記すことにします。
  
    
<エクスプロ―ラで OneDriveの現状を知る>
   Windowsではエクスプロ―ラを開くと、左ペインに「ダウンロード・デスクトップ・ドキュメント・ピクチャ・ビデオ・ミュージック」の6つフォルダがあります。これらのフォルダは
  Microsoftが前以て作っておいたユーザーがデータを入れるためのフォルダです。
   これらは「
クイックアクセス」と呼ばれるショートカットもどきのフォルダであって、その実体は左ペインで「C:ドライブ」をシングルクリックし、右ペインに移って「ユーザー ~
    個人ユーザー名」とダブルクリックでたどると、この「個人ユーザー名」フォルダの下にあります。
   ところが、Windows11ではOneDriveの働きの一つに「
フォルダの自動バックアップ」という仕組みがあり、「個人ユーザー名」の下にある「ドキュメント」など 3つのフォルダを、下図のようにクラウドのOneDriveに移動することが多いのです。このことを頭において先に進みます。
  
  
    <.pstファイルの存在場所を確認>
     ここでは Outlookのデータ「.pstファイル」が OneDriveの「ドキュメント」にあり、 そこから「C:ドライブ ~ ユーザー ~
    個人ユーザー名」の下の「ドキュメント」に戻す手順を説明することにします。
     まず、Outlookを開いて「ファイル」メニューから「アカウント設定」~「アカウント設定(A)」を開きます。下図で「データファイル」タブをクリックして、「.pstファイル」が
    OneDriveの「ドキュメント」~「Outlookファイル」フォルダにあることを確認します。
  
  
  <.pstファイルをコピー>
     上図で「ファイルの場所を開く」をクリックすると、エクスプローラで下図のように現在の「.pstファイル」の保存先が開きます。ここで一旦
 Outlookを閉じます。Outlookを開いたままでは「.pstファイル」のコピーがうまくできません。
   下図のOneDrive上にある「.pstファイル」を右クリックして「コピー」します。
  
  
  <.pstファイルを貼り付け>
     引き続きエクスプローラで「.pstファイル」が本来あるべき場所、すなわち「C:ドライブ ~ ユーザー ~ 個人ユーザー名」の下の「ドキュメント」内に、新しく「Outlookファイル」フォルダを作ってその中に「.pstファイル」を「貼り付け」します。データ量が多い場合は、このコピー&貼り付けに数分から数10分かかる場合があります。
  
 ここで再度 Outlookを開きます。下図「アカウント設定」画面で「メール」タブから、対象のアカウントを選択し「フォルダの変更」をクリックします。
  
     下図左画面が開くので「新しいOutlookデータファイル」をクリックします。下図右画面になり先ほどコピーした「.pstファイル」の配信場所が追加されました。「OK」ボタンを押します。
  
  
  <新.pstファイルを既定に設定>
   下図「アカウント設定」画面の「データファイル」タブをクリックし、「C:ドライブ ~ ユーザー ~ 個人ユーザー名」の下の「ドキュメント」の「.pstファイル」を「既定に設定」します。
  

   以上の操作で Outlookと「C:ドライブ ~ ユーザー ~ 個人ユーザー名」の下の「ドキュメント」の「.pstファイル」の紐づけができました。自分から自分へメールを送るなどして、新しい紐づけができていることを確認してください。
  
<旧.pstファイルを削除>
     急ぐ必要はありませんが、OneDriveにある「旧.pstファイル」は削除してもいいでしょう。下図「データファイル」タブで、OneDriveの「.pstファイル」を選択して「削除」をクリックします。ただ、「削除」を選択してもメールデータは失われません。
    Outlookアカウントから切断されるだけです。